飛行機が空港に雪を降らせる - スラッシュドット・ジャパン
http://slashdot.jp/science/11/07/03/0929235.shtml概要 (スコア:5, 参考になる)phason (22006) : 2011年07月04日 9時43分 (#1981346) 日記
既知の事項
・Hole-puncn(薄い雲に空いた穴)やcanal-cloud(厚い雲に空いた通路状の穴)というものが空港の近くで見られることが知られており,航空機によるものと考えられている.直径は数キロ程度には広がる.
ちなみにこんなの.
http://labaq.com/archives/51142096.html [labaq.com]
(最後の衛星写真は,今回の解析でも用いられている)
・過冷却状態の雲中で航空機による擾乱で核が発生し降雪となって落ちていると考えられているが,あまり詳細には検討されてこなかった.
・メカニズムとしては一応Bergeron-Findeisenプロセス(通常の連鎖的な降雨のプロセス)と思われる.
今回の研究
・とりあえず今まで予想されていたモデルをそのまま放り込んで計算.
・輻射とか地面との間の熱交換はめんどくさいから無視.
・一度氷核が生成すると,Bergeron-Findeisenプロセスにより氷核が成長(発熱過程なので中心に上昇気流が生じる),逆にその周囲では水滴が蒸発(吸熱過程なので下降気流が生成).
・中心部の氷は上昇気流に乗ってしばらく漂い(落ちるものもいてそれは降雪/降雨に),逆に周辺部の水滴は落下し温度が上がることでさらに蒸発.
・落下による雲の消失はどんどん外周に拡大していき,氷の凝集する領域も中心部から拡大していく.
・これにより,円形を保ったまま雲がどんどん消えながらホールが拡大,中心部から徐々に雪が降下.モデル計算と実際のホールの形状・成長速度等が一致してるんで,まあメカニズムはあっているのだろう.
・通常の飛行機雲は地球レベルでの気候に影響を与えるほど多数存在しているが,Hole-puncnは個数などを考えると全球レベルでの影響はほぼ無視できる.ただし飛行場近傍の気候には大きな影響を与えているので,それを考える場合は考慮に入れる必要あり.
新しいことを見つけたと言うより,「多分こうだろう」と言われていたのを計算でも確認できた,という感じ?
なお,最初の氷核の生成はプロペラ機のプロペラ端での断熱膨張や,ジェット機の翼端での断熱膨張が原因であると考えられるとのこと.
それぞれ20℃および10℃程度局所的な温度を下げる効果があり,気温が-20℃(プロペラ機の場合)および-30℃(ジェット機)の過冷却雲を通過するとちょうど-40℃(過冷却水が凝固する温度)になり,氷核が生成するとのこと.この温度の過冷却雲はそんなに厚さが無い(要は薄っぺらい)ものが多いため,板に穴が空いたようなHole-puncnを生成することが多い.
(通常の飛行機雲はもっと高空の-40℃以下程度の領域を航空機が通過する際に発生する)
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